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無礼院慈安宮

もはや備忘録

Aria pro II Fullerton (Part2)





THE  あけおめ。




以前 こんな記事 を書いた。

Aria pro II Fullerton|無礼院慈安宮




近年のアリアのラインナップに
こんなモデルが追加されている。


AE -Aria Evergreen-| ARIA 荒井貿易株式会社 Arai & Co., Inc.



エバーグリーンという新シリーズで
フラートンストラトが復活しちょるのよ。
ついでにそれっぽいテレとか
プレベタイプまで追加されちょるw

ウチにある初代フラートンにも
海外向け、輸出仕様が存在したが
現行モデルにも
海外向けラインナップがある。

714-MK2 -Fullerton- Aria Guitars




そう。
海外向けにおいては、
明確に”アリアフラートンストラトの復活”
なわけだ。

国内向けAEシリーズには無い
”Fullerton”の文字が
きちんとヘッドストックにレタリングされている。



少し遡ればアレがあった。
ハイエンド機になってた期。


FL-STD I ARIA 荒井貿易株式会社 Arai & Co., Inc.


製造はT’sが請け負ってたとか
なんかで読んだような気がするが
定かじゃない。
Kleinピックアップが奢られ、
240R指板のトラディショナルなモデルと
350R指板のスクエアボディ、モダンなタイプ
二本立てで展開してたようだ。




ともあれ、
そんなせいか、
前述の記事にちょいちょいアクセスがある。

実は、一昨年だったか、
近所の楽器店でAEシリーズを見て
なんじゃこりゃとなって店員さんと話をした。
アリアの新作ですって言うんで、
いや過去にこれこれこういうカクカクシカジカ
アリアFLとかでググると出てくるよと
店員さん、スマホで早速調べだした。
ありました?と様子をうかがうと
見てたのはその、
このブログの例の記事だったw
一番上にありましたよ?だってw


基本、初代FL(フラートン)は
半島製の安ギターだ。
どこかで中古の個体を見つけても
過度に期待すべきではない。

しかし
低価格のみを追求したような
低品質な楽器ではない。
素性を理解して弾く分には
そう悪くない相棒になる。

参考になるかどうか知らんが
いくらかうちの個体の状態を
画像でここに残しておこうと思う。




まぁ、
ピックガードからしてこんな感じだ。
シェイプと全然あってねぇ。




安ギター関連でよく見られる加工、
ネックポケットの底がデコボコなやつ。
マシな方なのかもしれないが。

一応シムのつもりの物体が置いてある。
薄いプラ板のようだった。
ただ、その凸凹面に置いてもだねw
実際このギター、
仕込み角が僅かに逆方向についている。
気付いたときはめまいがした。





で、ネックはというと
これがちょっと気になる。

雑過ぎん?www

ロッドのケツがしっかり固定されているなら
まぁ別にいいけれどもw




 

個人的にこの
アジアンメイドのギターに良く載ってる
ナロー・スタッドピッチのブリッジが
あんまり好きじゃない。
スタッドの頭が揃ってない。
6本真っ直ぐに穴が開いてないんだろう。

俺は大抵の場合
シンクロタイプのユニットが載っていたなら
フローティングさせるけれど
このギターは
うちのギターで唯一フィッティングだ。




実はこのギター
買ってからサーキットを開けたことがない。
リアPUが片方「だけ」ダイレクトマウントという
ぶっ飛んだ仕様だったからだ。
だって普通に考えたら、このネジ外したら
PUのベースプレートの下にバネがいると思うじゃん。
付けるときめんどくせぇなと思うじゃん。





ところがどっこい、
PUの下には何やらスポンジ状の物体が居て
こいつの反発力で持ち上がってるだけなのだ。

いや、俺さ、
ほんとにストラト以外のギター、
まともに知らないんだけどさ、
ダイレクトマウントってこんなもんなの?

そうでなくてもこのギターの場合
例えばリアPUの高さを上げたい場合、
6弦側はネジを緩め
1弦側はネジを締めることになる。
まぁ細かいことだし、別にいいんだが。






電装パーツは予想通り。
価格帯に準じたものといえる。と思う。

SSHなので一応気になったんだけど
コンデンサはシングルコイル優先で473、
しかしポットはハム寄り、
500KΩAカーブのようだ。
これは狙ってこの仕様なのかW
いつか回路いじる時にでも
VOLポットのハンダの下を見てから考えよう。







PUは3つともダンカン・デザインド。
明らかにリプレイスだろう。
だから配線の取り回しがテキトーなのは
メーカーのせいじゃないw
弁当箱キャビティに収まりゃいいんだから。


この個体は
多少なりわかるヤツが
あまり費用をかけずに少しでも
グレードアップさせようとした意図が
いくらか窺える。




パーツで目に付くのはペグ、
ネットで見かける個体はどれも皆
無印のロトマチックだ。
ギヤケースの彫りこみではなく
ギヤカバーのプリントでロゴが入れられた
後年もののGOTOHペグは
この個体の製造期である90年代前半には
まだ無い。




というような目で見るならば、
サテン仕上げのこのネックにおいて
ヘッドフェイスのみグロスって仕様も
どうも見かけたことがない。
ついでに言うなら、
トラスロッド・アジャスト・ホールが
綺麗に黒く塗られている。
これだけで見た目がグッと締まる。
ちょっと木くずのっちゃってるけどね。
国内仕様ではこれも見かけない

輸出向けモデルは
アジャストホールにプラグがはめ込まれている。
レンチを刺すため真ん中がくり貫かれた、
アメスタなんかでよく見た仕様だ。

この個体においては
輸出仕様に寄せる形でルックスを向上させるべく
ヘッドフェイスのオーバーラッカーと
アジャストホールのブラックアウトを
購入後に誰かが行った可能性を考えてしまう。




そして度肝を抜かれたこれだ。
ウラブタ落とし込み。

いや、珍しくもないなんて言わないでくれ。
こんな価格帯(当時定価¥28,000)で
実装するような仕様じゃない。

一応クリア乗ってるから、
デフォルトだとは思うんだが
どうもこれも、
ネットで見かける他の個体が
同じであるように見えないものが多い。

まさか、ねぇ。

ちなみにこのギター、
俺が生まれて初めて
ウラブタ付いたまんまでいいやと思った
記念すべきギターになった。


ところで
ブリッジアースの線がえらいことになっとる。
このギター、
アーム使わない方向だからいいけど(よくない)




最初に安ギターとは言ったが、
少々ラディカルな仕様にして
フラートンさん名前だけ貸してください、
なんていう適当な代物ではない。

輸出仕様は
なんとネックジョイントが5点留め(!)だ。
指板エンド以降極端に薄くなったネックが
フロントPUの下辺りまで伸ばされ
ボディとの接触面積を稼ぎながら
指板面から極端に下げられた表側は
弁当箱キャビティの一部を形成する。

ジョージ・フラートンとて
関わる以上、
そしてフラートンの名を冠す以上、
日本国内向けでは需要と価格帯、
そこからくるコストの問題で
少なからず制約があるのだろうが、
ことアメリカ市場で売る分においては
できる限りやりたいことをやらせてくれ、
そういう意欲に満ちたモデルであった、
そう思わずにいられない。
そして現実に
少なくとも海外市場では
一定程度の評価があるのだろう。
そういう裏付けがあってこその、
今回の「復活」なのだと思う。


現行714AEにおいても
ボトムアジャストでありながら
ネックを外さずに調整できる
現代的な仕様のトラスロッドや
標準装備のウィルキンソン2スタッド、
コストと美しいルックスを両立する
キルテッドメイプルトップのポプラボディ、
単なるネタ切れの焼き直しではなく
「進化を遂げた復活」であると感じる。
輸出仕様に至っては
標準でローステッドメイプルネックだ。

欲しくなるじゃないかw



俺は当記事の個体を超破格で手に入れた。
しかも気の利いたカスタマイズ済みでだ。

店頭でひと目見て「面白い」と思った、
その「面白い」が具体的に何だったのか
この記事を書いたお陰で
なんとなく整理できた気がする。






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