けったいな曲名だと思う。
King of the Ocean-Hide/Brainflow on muzieハイド海の王者、もちろん地図にそんな海はないです。
途方もなく広い大海原
暗雲立ち込め、行く先を窺うこともままならぬ黒い海。
そんな海に君臨し、そこには歯向かう者も逆らう者もいません。
その海にはもう
他に誰もいないんです。
個としての己を省みる時、人はとても孤独です。
口に出さぬ思いを暗い水面に沈め
遠近間も方向感覚も存在しない漆黒の大海原を
彼方に僅か見える微かな光目指して進む……
相変わらず考えること暗ぇなぁ。
これじゃネオクラじゃなくてネクラだよ。
「道王空王ときたら、次は海王か?」
当時のそんなやり取りがきっかけでした。
かつて指を壊してからだんだん離れていった俺とギターとの距離
それをたった一瞬で引き戻したあの曲、
NAKAO☆さんのKing of the road
King of the road/NAKAO☆ on muzieこの曲、”海王”は
俺が愛着を込めて「道王」と呼ぶあの曲へのオマージュです。
道王は
主にイングヴェイ・マルムスティーンらの出現で生まれた、ネオクラシカル・ハードロックの様式を用いた楽曲、
なら俺がやるなら、あの様式美ハードロックの草分け的存在、すなわちリッチー・ブラックモア路線で対抗しようか、
俺はどちらかと言うとレインボーよりパープルの方が好きなので、
どちらにも似てるような、どちらにも似ていないような、そんな感じにならないかと考えながら作りました。
曲の前半部分はリッチーに敬意を表してkey=Gm
後半は道王への敬意を表しkey=Amとしました。
俺は人々が驚くような早弾きが出来るわけでもないし
指先で指板を叩いて茶を沸かせるわけでもない、
技術や完璧に「弾ききる」ことよりも、全体の雰囲気や質感にこそ拘ろう、
当初からそう決めていました。
完コピやソックリ度みたいな分野もそれぞれ猛者がいるし到底敵うわけもない。
間奏部分には異なるキャラが4人ほど出てきます。
まずネオクラの元祖風。
あくまで「風」です。
思い立ったからってそう簡単に弾ける訳じゃない。
アイツならば例えテーマ弾いてるのがリッチーだろうと被せて入ってくるだろうと、
思いっきり被せてソロが始まりますw
PUを換えていない73ストラトで
マーシャルモデリング+テープエコーで録ってみました。
次にヒゲのハモンド奏者風
俺は鍵盤楽器弾けるわけでもないし、
ドローバーオルガンの使い方も知らなかったので随分苦労しました。
マウスで一音ずつ打ち込んでます。時間かかった……
オルガンのVSTiを片っ端から試し
オルガニストのブログを漁って奏法を研究したりしてなんとかそれらしくなりました。
次はちょっと派手目のバッキングに乗せて真打ちの登場です。
後期ではダンカンSSL-4の太いサウンドが特徴なので、ヴァンザンドのハイアウトプットが載った74で弾きました。
オクターヴァーをブリブリと効かせたかったんですが、
G7.1にはハーモナイザーのプリセットにそれらしいのがあっただけで、ちょっと物足りない感じです。
最後はまぁ、俺です。
一番テキトー。
キャラを差別化したかったんですが、あまり差が出せませんでした。
パシフィカで弾いてます。
孤独っつー割には色々出てくるな。
それぞれがそれぞれの孤独な海で、と解釈してください。
70年代~80年代前半の、良い意味で野暮ったい、
イナタイ感じを目指しました。
3連系のリズムで海上のドンブラコ感を出そうと試みました。
ギター以外は全て打ち込みです。
生活環境の変化やPCクラッシュによるデータロストなんかもあって
製作期間は随分かかってます。
結局中途半端な猿真似ソングと言われやしないか
そんなことも少しは考えますが、それでもいい。
やりたかったことは全部詰め込みました。
皆さんの航海の先に
常に光があらんことを
そうそう
この曲には一ヶ所だけ
道王のパーツの一部がそのまま組み込まれています。
どーこだ?w
1. 名曲・名演誕生
聴いても聴いても飽きません。
最初に聴いて半分も聴かないうちに「道王はあっさり追い抜かれた」と感じました。
でも驚きませんでした。
俺がRiverTownのレコーディングを頼んだのは、俺は実力が同等か上の人としか作品作りをしたくないから。だからこんなに凄まじい完成度の曲を生み出してくれても意外ではありません。
だって俺が惚れ込んだギタリストだから。
3連というアドリブするには難しいリズムの中で実にメロディアスでスリリングで繊細で美しい演奏、そして素晴らしい構成、全てが素晴らしい。
いまネットでもプロでもこういうギター弾ける人って中々居ないんじゃないかな?
当然次の曲にも期待が膨らみます。
もっと聴きたいよ。