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無礼院慈安宮

もはや備忘録

Fender Stratocaster 1974

さて!やってきました日曜日!
74さんを生き返らせようではないか!

お品書としては

 ○オリジナルピックアップ再換装

 ○3点式から5点式セレクターへ換装

 ○ロシア製コンデンサ搭載

以上の3品でございます。
長いよー。写真多いよー。衝撃の新事実もあるよー。

なだっちゃーん?おすすめ記事よー?
もう見てないだろうなーw





若い頃はハンダやら配線やらで音なんか変わるかよ、そんなことより人間の手が生むトーンだろ。そんなふうに思ってました。今は違う。所定の効果はあると思う。
元はといえばグレコさん復活計画の為に買い集めたパーツ群、音にこだわるというよりは、ヒドイ扱いをしてきたグレコさんに対するケジメみたいな意味合いが強い。ボロボロにしちゃったから、せめて回路くらいキチンとしてやろう、そんなふうに思って。

内部配線用に定番のベルデン8503、ヤフオクで見つけたロシア製コンデンサたち、そしてハンダはケスター#44!しかも現行品は音が硬いからヴィンテージ!とまではこだわらない。日本アルミットKR19。そこそこ評判良い。
コンデンサは緑のがオイルコン、茶色がオイルペーパーコン、小さいのがフィルムコン。実は緑と茶色を別々に落札して同梱依頼をしたのに、うっかり別々に決済しちゃった、つまり送料ふたつ分払っちゃった。なので先方に、これこれこういうわけで、手間省けるだろうから同梱で構わないけど送料はどうぞお納めください、と伝えたら、ちょうど送料分くらいのフィルムコンデンサをサービスしてくれたのだ。




ガラクタ箱から発掘されたCRL(右)と、
国産セレクターの定番DM-50(左)。確かSCUD。
ネジ間のピッチが違うほか、常時接点の位置が違うので注意。




CTS No-load pot(左の2つ)
ポットってやつはただの抵抗体。つながってる以上フルテンでも反対側に微弱には流れてしまう。ノーロードポットはそれが嫌って人用のポット。フルテン時に接点が離れ完全にバイパスとなる。
ただ今回は使わない。せっかくのオイルコンなので、むしろリアもセンタートーンに絡める回路にする。ジャキジャキうるさい70年代ピックアップの角がいい感じに丸くなることを期待。




引っ張り出した元のピックアップ。最初に外す時点でもう、リードがだいぶ短くされていた。




74さんといえばこれだ。前オーナーお手製?のキャビティシールド。アルミテープのようだ。
買ってからまだ一度もこの下を見たことがない。今回どうしても肌を見てみたいという欲望に負けてしまった。
恐らくは苦労して貼ったであろうアルミテープを剥がしていく。接着剤と塗装が反応したのだろうか、剥がしたところから猛烈な臭気が。



年代判別の一助となるヒントを期待したが、書き込みやスタンプはなかった。ピックアップキャビティの角の丸みや、コード溝の長さとかカーブにも年代差があった筈だが詳しいデータを失念してしまった。しかしこうして画像データに残せたことは大きい。
ピックガードに隠れる部分はサンバースト中間色の赤が吹かれていないのだ。しかしネックの根本にはまだ赤々と。赤は覚めやすいのでここまで色が飛んでしまう。木部が欠けた部分があるがそこにもクリアが乗っている。つまり加工時に欠けたわけだ。でも隠れる場所なので使っちゃうのだ。アメリカだなぁ。70年代だなぁ。こういうの見るの楽しいなぁ。



作業開始。
前回(と言っても20年以上前だが)使ったハンダがやたら融点が高く、全然溶けない。というか今使ってるそこらへんのホームセンターで買ったコテが20ワットしかないのだ。KR19が溶ければいいやくらいに思っていたから。当時ハンダは何を使ったんだろう?たしかそこらへんのホームセンターで買った安物のはずだけど。

一旦ジャックと、トレモロスプリングフックからのアースも外す。そこのハンダの下を確かめたいからだ。
トーンポット2つの刻印はもう、ずいぶん前に見た。そしてその時にトーンポットが92年製であることを知り、大きなショックを受けた。しかしヴォリュームポットのデイトを未だ見ていない。



キターーーー!
わかるだろうか?一番汚い左端がヴォリュームポット。そこには1377337と書かれている。
CTSのコードである137、その後ろの四桁は73年の37週目を示している。


え・・・待ってくれ・・・

74さんは73だったのか?

つまりは74も、72年と言われて買った73も、2本とも元々俺と同じ73年産まれだったのか・・・?

なんだそれ・・・そんな運命的な出会いあるかよ。
しかも四半世紀経ってからそれを知るなんて。



もちろん、当時のアメリカでそれほど先入れ先出しを徹底していたとも思えず、古い在庫も入り混じって使っていた可能性もあるが、加工後に塗装や部品取り付けに回る順番が前後するボディやネックに比べれば、内部パーツはどんどん減る、というか使わないと完成しないので比較的順序よく消費されると思われる。
また、ネックデイトが示す製造年は75年、または73~74で見られる末尾二桁が逆の法則を適用すれば73だ。俺がこれを買ったとき、何を根拠に74年を謳っていたのか知らないが、ボディの特徴も含めて73年完成のネックを使って組み上がったのが74年だったのかと、とりあえず考えていた。今回それが覆ってしまった。
もし、そうだとするならば、以前から気になっていた、この74のシリアルナンバーが73のそれより若いという最大の矛盾点すら、有り得る範囲に入ってしまう。


まあいい、先に進もう。




オリジナルのCRL3点。間違いなく当時物。



フロントのピックアップカバーがゴムチューブで張り付いて落ちてこねぇwそういや元のバネが腐りきってて、付属のやつ使ったな。
まあいいや。どうせまたピックアップ付けるんだから。



20年近く活躍したヴァンザンドさんとリンディさん。お疲れ様です。



さぁ!
今回の目玉の一つ、ロシア製コンデンサを取り付けていきますよ!

今回ちゃんと(?)ヒートスプレッダを用意した。せっかくのオイルコンデンサをまた熱でダメにしてたまるか。まあ500円くらいだけど。

カスタムギターの写真で見るみたいに、なんかこう宙に浮いた感じに付けたいんだけど難しい。普通のコンデンサよりデカイし。



さて、数か所コードを束ねたいんだけど、なんかテープないかな・・・




あったあったありました。なにやらテープらしきものが。

しかしこれ





両面テープwww

これでヴィンテージっぽいやたらベタベタした感じも演出できる(違
とりあえず触りまくって粘着力を弱めておこう。


絶縁性能?しらん。




待て待て待てどれがフロントでどれがミドルだっけ?





一応完成。
メーカー配線とまではいかなくてもそれなりにきれいにしたかったんだけど、まぁこんなもんでしょ。素人なんだし。ハンダ苦手なのに頑張ったよ。

ジャック刺さってるの見える?
ピックガード取り付ける前に導通チェックする癖だけは若い頃つきました。
ドライバーでカリカリしながらセレクター位置とトーンの効きもね。



さてここまでやったら音聴きたい。

トラスロッド緩めて放置しといた74さん、まず慎重に締め込んでストレートを出す。

弦を張って微調整して、仕込み角決めて完成。



俺のギターにしちゃ低弦高だ。こんなもんで充分。


ネックの癖は相変わらずだ。
6弦側が前に出る形でねじれてるから、ストレートと言っても6弦側ほんの少し順反り、1弦側逆反りそうなところで止めるしかない。
そしてネックジョイントをどんなに慎重に締めても、ハイが多少起きれば、1弦側は波打つ形になる。

現に今20フレットのみ音が詰まる。出音に影響ないレベルだけど。
トラスロッドを緩めたところから弦を張ったので、数日後微調整する予定でいる。そのときにでももう少し追い込もう。
四半世紀付き合って、3点留めティルトアジャスト付ストラトの、ネックジョイントの締め付けが如何にデリケートかつ重要かを学んだ。



さぁて!


早速弾いてみると、なんとも懐かしい音がする。
ハイがジャキジャキうるさいが、確かに当時俺の脳天をぶん殴ったサウンドが帰ってきた。当時のフェンダージャパンとこれを比べたら、色気と艶では圧倒的に勝ってる。

しばし感慨にふけってしまった。

トーンがまたいい。
コンデンサを変えると、今までトーンを使わなかった人でもトーンに触るようになると言うけど、まさにその通り。絞って行っても音がこもらず、輪郭を保ったまま甘くなっていく。
フロントでトーンを3くらいまで絞っても、リード/ソロトーンとして実用域なんて想像できるかい?


かくして74さんは、弾いていてめちゃめちゃ楽しいギターとして復活した。
音を聴いてもらおうとまた、しょーもない動画を撮ったが、編集が間に合わなかったのでまた次回。



残る問題は、

74さんをこの先どう呼ぶべきかという深刻な問題と、




この、フローリングの床に落ちた1弦の切れ端をどうやって拾うかだ。全然掴めねぇ。
頼むからその溝にだけははまらないでくれ。







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Brainflow (麻呂)
性別:
男性

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