俺はチューナーを使わない。
突然何だと思うだろうが、
俺はなぜかギターのチューニングにチューナーを使う習慣がない。
某所でツナ缶の記事を見て、そういえば、と考えた。
なんでツナ缶でチューナーなのかは
ここを見てもらうとして、
俺は自分のチューナー史を振り返ってみた。
確かチューナーを自分で買ったことはある。
KORGの、いかにもアナログな、実際に針がピョコピョコ動くやつだ。
そうだ。
あいつも原因のひとつだ。
弦を弾くと、最初高めのピッチを示して徐々に針が下がる。
人間なら普通ジャストに合わせたいから、どのタイミングで合わせたら良いか迷う。
いや考えりゃわかるだろ、耳で合わせるときは振動が落ち着いたサスティンの部分で合わせるだろ。
しかし落ち着きのない針を見ていると迷う。
不思議だ。
チューナーってのはあまり精密に表示し過ぎないのが良いのかもしれない。
事実最近のものは簡素なデジタル表示だ。
だがそれはそれで、その、ジャストのランプと隣のランプの境目はどの辺?ジャストのランプの範囲どのくらい?お前信用していいの?なんて考えてしまう。
そして、若い頃のバンド仲間だ。
耳なんかあてにならん、チューナーを使えと、
自慢のチューナーでそいつが合わせたギターでコードを弾くと、音が濁る。
確かに指の押弦力も個人差があったりはするが。
しかし俺はチューナーで合わせたんだから間違いないと聞かない。
そんなことを繰り返し、オクターブ・ピッチにもだんだん敏感になり、最後に待っているのはアレだ。
ピタゴラス・カンマのイタズラだ。
どこまで行ってもすべてのフレットでドンピシャのジャストになることはない。
かくして俺は
ギターのチューニングには、程よくファジーなギタリストになった。
じゃ実際のチューニングはどうしてるのか?
昔は音叉で5弦Aを基準とした。
ちなみに、
電話の受話器を上げたときのプーーーーーという音、アレがGで
呼び出し中と話し中の断続音がBである。
いまは5弦か6弦、または気分で3弦を基準として、
何で音をとるかと言うと、頭の中で曲を鳴らすw
3弦ならば、
例えばリッチーがオープンGをバーン!と鳴らす、
アレを脳内で再生する。
要は何弦だろうが、
そのキーの曲を鳴らせばいいのだ。頭の中で。
しかしw
その当時その曲を聴いていたカセットテープのラジカセの回転速度とか、
そもそもそのギタリストのチューニング精度にピッチが左右されるというリスクは伴うww
あと、6弦基準としたときに何故か半音下げに仕上がることが時たまある。
犯人は大体わかってる。アイツだ。
キーによっていつも曲が決まっている訳じゃない。
だからいつもテキトーに脳内で選曲する。
GならSmoke on the waterでもBurnでもいい。
AならZepのRock'n'rollだとかEならJimiのPurple hazeだとかだ。おっと半音下げに気をつけろ。
Dならなんだろう、なんて考えていた。
一時期ハマったKing's Xに、ドロップDのイカシタ曲が幾つもあるが
Motley CrueのDr.Feelgoodが一音下げじゃなかったか?
頭の中で鳴らしたら懐かしくてしばらくリピートしてしまった。
6弦を転がすリフのカッコよさ。
♪デンデレンデンデンデンデンデン
デレンデレンデンデンデンデンデン
確かサビはこんな感じだ
♪膝からコードがフィールグー膝だけめちゃ冷えオーラーイファーストから5枚目あたりまでよく聞いた印象が残ってる。
♪母ちゃん酔って電線音頭がぁブーム肘揉んでワンタン食おう!フィールグぅーーーオーイェーのってきた。
当時HM/HRバンドがどんどんハードな方向に行くなかで
テクニック?スピード?んなことよりノリだろノリ。
そういわんばかりのブギやロックンロールの名曲が多い。
敷居が低いせいもあって、ギターを少し覚えたあの頃よくコピーした。
確か当時はバンドスコアなんてのを買ってた気がするが、
何故かいつも最終的には自己流耳コピになっていた。
コード進行とその部分のフレージングの理由を考え、
いろんなことに辻褄が合っていき、
イカシタフレーズとそのパターンを学び、
時には代理コードや裏コードのケーススタディになっていたり。
絶対音感とは何ぞや。
そんな言葉日常生活でなかなか出てこない。
例えばテレビで天才ピアニストの波乱万丈物語みたいなのを見た後くらいだ。
自分に絶対音感があるか、みたいな話になると俺はそれなりにムキになるw
しかし実際自分に絶対音感があるかどうかにはあまり興味がない。
残念ながらコンサートピッチ440Hzと441Hzを聞き分ける耳を
俺は持って無いだろう。
けど、
青春時代に聞き込んだロックの名曲は今でも鮮明に頭の中で再生できるし、
それらから学んだ、
ギターの楽しさ、カッコ良さは知っているつもりでいる。
俺にとっての絶対音感とは
これぞという音を自分の中に持っているか、と見つけたり。
1. 無題