やあ久しぶり。
希望のかけらもない日々を皆さんいかがお過ごしですか?
今日は突然舞い降りてきたエナジーカプセルをひとつ、
皆様にご紹介致しましょう。
NAKAO☆さんのニューアルバム、
Useless effortでございますよ。
なんちゅうタイトルだw
無駄な努力、報われぬ徒労、
骨折り損のくたびれ儲けときたもんだ。
この男、藻掻いている。
何に抗っているのかは本人のみぞ知る、ではあるが
この社会、この国、この世界を覆いつくす
とてつもなく巨大で、得体の知れぬ
不気味な喪失感を織りなす何かのピースを相手に
ただただ足搔いている。
しかしその眼差しはあきれるほど真っ直ぐで
穏やかな、
しかし真摯な視線は途方もなく遠くを向いている。
それは同時に、このアルバムを聴く者への
痛烈な問いとなる。
お前はどうだ?何のためにここにいる?
さあ示せ。お前の存在の「定義」を!
優しく、しかし澱みなく真っ直ぐに向けられた視線から
こちらも目をそらすことができない。
この男の生み出す音楽は、
当てはめるべきジャンルが存在しない。
あれやこれに似てるとか近いとか
理屈で言ったらこれだろうとか
そんなものしか見当たらない。
ギターだとかインストだとか以前に
NAKAO☆であるという形容しかしようがない。
断言しよう。この世界に無駄なんてものはない。
しかし百歩譲って、
「無駄な努力」なるものが存在したとしても
歴史においてどっかの誰かの些細な無駄が
たった一つ消失しただけでその後の歴史は消滅する。
世界の片隅で、誰かが「無駄」なる行動を
したのかしないのかで、未来は別のものになる。
これは単なる事実、原理原則であり
この世の何者にも否定できない。
この男がもがき続け
音のタペストリーをこれでもかと紡ぐ、その視線の先に
やがて現在に現れる筈の未来は確実に形成されている。
俺は長らくカン違いをしてきた。
NAKAO☆という男は
ギターという絵筆で音の絵の具を塗りたくり
空間に絵画を描き出す魔術師だと思っていた。
事実何度もそう書いてきた。
とんだ勘違いだ。
この男、音の魔術によって
この世界そのものを塗り替えてきやがる。Useless effort / NAKAO☆
1. 無題
さあ示せ。お前の存在の「定義」を!