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無礼院慈安宮

もはや備忘録

Fender Japan ”Orange” #2



さて! 

お待ちかねだ!オレンジをバラしてみようじゃないか。





スラブ貼りのスモールヘッド、概ね62仕様と考えていいこの個体、
シリアル調べたところ93~94年製ということだ。
あぁ。対談動画で俺は知ったかの大嘘を言っている。


バラすにあたって弦を切ろうかと思ったが、
現在SITが張られているということだったので、
切れるまで使おうというセコイ根性が。



あぁぁめんどくせぇw
溝切りペグなら緩めりゃスッと抜けるんだよぅ。




判りづらいが、
カモメ型ストリングガイドの根元にゲタがない。
高さ調整用の筒状のパーツがないのだ。
このカモメはフリーで動きに余裕があった方がいいので
これはいいかもしれない。





判るだろうか?
対談動画で言っていたのはこれだ。3弦ペグが曲がって付いている。
頂いたギターに文句ばかりだが、
フジゲンに対して信頼を置いているので残念に思ってしまう。






フジゲンというかフェンダー形状のザグリ。コード溝無し。
塗装がキレイだ。
時代的にポリエステルなのかな?と思うが塗膜はわりと薄い。

電気パーツは時代的にも価格帯的にも
俺のキライなモノで埋め尽くされてるw

ピックアップは予想通りフェライトマグネットタイプだった。
しかしこのPUなかなか悪くない。
ハイがちょいキツイ気もするが、
ハーフポジションの鈴鳴り感はなかなか気持ちいい。
音出ししてみたところハーフポジションでハムキャンセルしてたから
センターはRW/RP(逆位相逆着磁)だ。
実際センターだけホットが赤色リード線だった。
逆巻きであることが視覚的に判りやすくするためだろう。
フジゲンCool-Zのようにリアもセンターに絡めて
トーンを利かせるような小技は仕込まれていない。

俺のキライなちっちぇえポットがついてるw
別にこれだからといって性能が劣るわけでもないが。





さあ。




いくぞ。

何が出てくるのかwww


















話が違うじゃないか。

足の間とか床とかに落ちたのかと何度も確認してしまった。
何って、仕込み角調整用のシムの話だ。
なかお先生が若かりし日に
この部分に思い出の品を使って調整したという話だった。
全世界のNAKAO☆ファンの期待は見事に不発に終わった。





ネックエンドには特にスタンプはなし。
ボディのネックポケットにはモデルコードと思しきスタンプが。
数字で362、ハイフンの前は恐らくST。
特殊なモデルならSTの前後に何か入るかもだが。
検索すると中古品販売のページが引っかかる。
まさしく90年代辺りにあったST-362というモデル、
ということで間違いなさそう。

ここの木目を見る限り材は恐らくバスウッドだろう。
もともとバスウッドはアルダーの代替材として使われ始めた。
むしろアルダーよりもフラットな特性を持つことも多い。




4点止めなのでティルトアジャストはない。
考えすぎかとも思ったが、フローティングを考慮して
トーカイさんから外したシムを入れてみることにした。
いや厚すぎるかなぁ。0.5ミリくらいあるしなぁ・・・。





当然ながら弦がフレットに張り付くw

現在バネ2本なので角度変化がものすごく繊細だけど、
弦高も合わせて高さを探っていく。


ここまで上げたがフレットにビビる。
やっぱりシムが厚すぎたwシム抜いて再調整。




こんなところで落ち着いた。
NAKAO☆マジックによる超低弦高よりは当然上がるが、
それでも俺のギターの中じゃ低い方だと思う。





トレモロブロック(イナーシャブロック)は
90年代ということもありカットブロックだ。




これはフジゲンCool-Z。シンクロのフルサイズブロック。
左がベタ付け、右がフローティング。
シンクロナイズドトレモロは可動幅に余裕がない。
ロック式トレモロ全盛であった90年代には、
シンクロであっても可動幅が要求された。
物理的にボディを削るかブロックを削るかどちらかしかない。

かつてはブ厚いブロックは敬遠されたが
今日ではラージブロックでないと嫌われる。
特にヴィンテージ信奉者には。

イナーシャ(慣性)ブロックという名のこの部品は
今日ではサスティンブロックとも呼ばれるほど
弦振動を相殺する方向への動きを抑制しサスティンに貢献する。





ペグと、ネックジョイントを締めなおしたら生鳴りが良くなった。
オクターブピッチは合わせてないけど、
いつもの.009-.046を張ったらフローティングの高さを含め
全部やり直しなのでその時でいい。

文句ばっかり書いたけど、
総合的に見て、根本的な部分にしっかりと品質が保たれた
”良いギター”であるという印象を受ける。
眺めているうちにオレンジ色も可愛くて好きになってきたw


ネックの裏を見ると、ネックのど真ん中に節がある。
オソロシイ材だなと思ったが、
このネックの薄さはその節を避けて削り込んだ結果かもしれない。
にもかかわらず、この薄さで、ロッド未調整で未だストレート。

動画で「生きてる間大丈夫」と言ったが、
実際そのくらいの年月活躍するポテンシャルはあるだろう。


と、この記事を締めくくろうとしたとき
たまたま目がいったガラクタ箱の中に



まさにフェンダージャパンについていたはずの
ラージブロックとブリッジプレートがw
見つけるの遅ぇよ。
まぁ有るのがわかったからいいか。






拍手[1回]

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コメント

1. 無題

「総合的に見て、根本的な部分にしっかりと品質が保たれた
”良いギター”であるという印象を受ける。」
そうそう、全く同じ感想でした。フェンダーは安くてもフェンダーなんだ。凄いなと。
たしか新品で3万円台でしたよ。
97年だったと思う。吉祥寺の楽器屋さんで色違いがズラっと並んでて、黄色と一瞬迷って最終的に珍しいオレンジにしたw
何でも見た目で買うんですよw
店員さん曰く「フェンダーも気まぐれで色んな色を吹きますからねw」って言ってました。
ネックがロングなのに違和感無くて、そこが良かったなぁ。
あれぐらい細くて薄いのも珍しくないですか?指板のRも含めて。

2. 無題

結局オレンジ色が好きになってる件についてw

3. 無題

>なかおさん

 >>フェンダーは安くてもフェンダー
そこがフェンダージャパンですよ!
これはフジゲンだけど、その後のダイナ製も未だ人気があるし、フェンダージャパン亡き今も、本家USAにJapan Exclusive等のラインが残っていて、フェンダージャパンとして売られていたものと同じダイナ製が今でも買えます。
本家もメキシコ、インドネシア、チャイナとマテリアルはどんどん安くなってますが、根本的な機能性だけは死守する!という意気込みだけは一応感じられますw

黄色?!あぶねーwww
よかったーオレンジでよかったーw
「なんでそんな冒険すっかな(再)」
 
ネックは相当珍しいと思う。ミディアム系やSTRシリーズじゃなくてスタンダード仕様でこの細さ薄さはかなりレア。しかもRまでナルいもんね。
例えば62とか65の規定よりは(母材が)細いけど、材はいいからネックにはしよう、みたいな感じのストックを、そのとき企画のあったこの362シリーズに使った、みたいなことなのかも。ネック側にモデルコードのスタンプ無いし。レアですよレア。

>いとまーさん

似 合 っ て る だ ろ う ? w

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男性

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